お茶を軸にした新しい地方創生の挑戦

私たちは現在、専門家と共に「お茶」を核とした地方創生コンテンツの造成に取り組んでいます。単なる飲み物、お土産としてのお茶ではなく、その背景にある歴史・文化・農業技術・地域の暮らし方までを学びに変換し、地域を丸ごと“学びのフィールド”にすることが目標です。
この取り組みは、教育的視点を重視しています。茶畑でのフィールドワーク、製茶工程の実地体験、茶の歴史や流通を探るワークショップなどを通じて、訪れる人が「お茶」を総合的に理解できるプログラムを設計中です。その地域を訪れる人がお茶を味わうのみならず、五感で体感し、またその歴史の文脈の中で我が国の文化を深く知ることもねらいとしています。
さらに、私たちはこの活動をエデュケーショナルツーリズムとして海外にも開いていきます。特に日本茶の魅力に関心を持つインバウンド層に向けて、茶の知識と体験を深く提供できるツアーや研修プログラムを企画し、地域経済と国際交流の双方に寄与する仕組みを構築します。
近い将来、このプロジェクトを東アジアのティーツーリズムの文脈に乗せていくことも視野に入れています。中国や台湾、韓国など、同じく茶文化を持つ国々との連携を深め、相互交流や共同イベントを通じて「お茶のある暮らし」という文化圏を広域で発信していきたいと考えています。
お茶は飲み物であると同時に、人をつなぎ、地域をつなぎ、世代をつなぐ“文化の媒介”です。これからも、この奥深い可能性を地域づくりに活かしていきます。
荒井 顕一